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批評や分析ではなく個人の感想だよ

バターまみれ

牧場物語 3つの里の大切な友だち』eショップ販売終了に伴いセールを実施しており、評判良かったので購入。
 シリーズの影響を受けたインディーズ作品『Stardew Valley』が傑作で、この存在により比較した本家が霞むという事象が自分の中で発生していたのですが、3つ里はスタバレとは別のベクトルで面白い。
 各キャラクターのテキスト量が膨大で、内容も基本的に癖のない穏やかなものではあるのですが、その中でその人の生育歴や人間関係がきちんと垣間見えるあたりが絶妙。
 例を挙げると、男性攻略キャラのユヅキ。彼の汎用テキストを繋ぎ合わせて想像できる背景が、
 病弱ゆえに田舎の祖母宅に押し付けられ、実家は壮健な次男が継いで両親とはほぼ絶縁状態
 で、かなりハードなのですが、その上で痛みも受け容れて祖父母に大切に育てられている今に幸いを見出していることがキャラクターの芯になっています。
 こういう背景があるのはユヅキに限らず、各キャラクターが明るくてとっつきやすいけれど、噛むとちゃんと奥深い、のが素晴らしい。
 また、汎用テキストの中で他のキャラクターとのエピソードが出てきたり、そこを踏まえてイベントでも絡んだりと、里のコミュニティ内外を問わずさまざまな人間関係が垣間見えるのは好みなところ。
 …なので、ライバルイベント削除は、本当に勿体ないと思う……。ミネなかで配偶者を取られて嫉妬に燃えるオタクを見たので、主人公×キャラクターの夢層の意見を優先したのかと思いますが。複数の未婚男女の交流自体は示唆されているのに、何も起きない方が変なのでは。まあこれは好みの問題ではありますが。
 牧場要素については、序盤は金策手段が少なく強制スローライフとなりましたが、ミルクメーカー取得したあたりから金が湧き始め、その金を元手に、道具を強化し、森を切り拓き、建造物をつくり、動物を増やし…やることがたくさんあって楽しい。
 ミルクメーカーは大量生産にあたって何度もウインドウ開き直す必要があるなど、UIは微妙に不便でしたが、ミルクメーカーやシードメーカー、出荷箱のウインドウ開いた際に手持ちと倉庫両方にちゃんとアクセスしてくれて、超便利で………最新作のウェルライ退化してるじゃん…………と虚無になります。
 ウェルライもいいところはあったのですが、7年前のゲームの3つ里の方が、断然出来がいいです。
 スタバレは膨大なボリュームと自由度の高さ、視野が段々広がっていくゲームバランスが魅力の一方、濃い絵柄&翻訳の都合で突然タメ口になる敬語キャラクター&青姦と虐待の示唆、で、かなり人を選ぶゲームなのですが、3つ里は愛着の湧き易い牧歌的な雰囲気に、牧場要素も水準以上で、いろんな人に勧め易い。そんなゲーム。1日の終わりに少しずつ進めてます。