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批評や分析ではなく個人の感想だよ

『バテン・カイトスⅡ』プレイ日記8

タラゼド突入〜バアルハイト戦終了まで。EDまで載せたかったけど長いので分けます。

〜タラゼド編〜
■シェラタンに戻るとネロ様から呼び出しあり。ネロ様、サギ遺児化の際も何も動いてくれなかったし、この職場早く辞めた方がいいと思う(n回目)
■皇帝審議後にサギが閉じ込められていた作りかけの町は要塞タラゼド。ついに完成してしまったらしく、バアルハイト様はタラゼドを拠点にマキナ化をさらにすすめるつもりらしいとネロ様から情報提供。
■本格的に機能する前に叩きたいネロ様に同調するサギ達であったが、乗り込む前に、タラセドは帝国から分離し宙に浮いてしまう。
「神の力を借りることなく、マキナの力だけで自ら浮遊する空の要塞ーーーそれがタラゼドの正体だ。」
■同時刻、タラゼドを見上げるレイドカーン・ロドルフォ・コレルリ・ローロ・ジーナ。帝国には歯向かったの間違いだったかもと今更冷や汗を流すロドルフォが、たいへんロドルフォです。
「人と……マキナと……歪んだ神の意識とが混じり合う……。」「……あの少年を見たときに気づくべきだった。この世の歯車のひとつがほんの少し乱れたことに……。乱れた歯車は他の全てを狂わせる。神はその力を失って人となり……、そして人は何を求めるのか……。」
コレルリ様。サギに出会った時にちょっと含みのある感じだったのは、サギの邪神パワーを感じ取っていたのか。
■バアルハイト様が投射映像を用い全大陸の人々に語りかけ。
「帝国アルファルドは大陸を放棄、今後はこの浮遊都市タラゼドを帝国本土とする!そして、帝都ミンタカはタラゼド内のヴェガへと遷都。帝国アルファルドを改め、帝国タラゼドとする!」
「帝国タラゼドは、いつ尽きるともわからぬ神のちからに頼った国ではない。ひとが生み出したちから、マキナの大陸だ。この至高のちからは、すべての民に最高の生活と安全を約束するだろう。」
「移住はアルファルド出身の民に限らない。全ての民を受け入れよう。条件はこころの翼を捨てること。タラゼドはこころへの妄執から脱却できるものだけを受け入れる。」
「同時に、帝国タラゼドとしての最初の国策を伝える。アルファルドを含む全大陸、神のちからに頼った全ての大陸の破壊。以上だ。」
■大陸のマキナ化に失敗したからマキナ都市作成と大陸破壊を掲げるバアルハイト様に、大陸破壊地雷のサギさん大変お怒り。
「相手はミリィアルデの父親だぞ。ぬしにできるのか?」
ここでミリィを気遣う役回りがギロなのがとても良い。
■ミリィはまず父と話をさせてほしいと縋り、サギはそれを受け入れつつも、もしものときは覚悟して欲しいとキッチリ線引きをして返す。直前ギロが柔らかい部分を見たのが効いて、サギさんの容赦のなさがキレキレだよ!
■タラゼド移住の混乱に乗っかり、一行はスフィーダで乗り込むことに。


■モブの視点通してこういう部分を匂わせていくのは、バテンのテキストのいいところ。
■マキナ都市ヴェガに到着。SF作品に出てくる未来都市のような様相で、街の便利さに喜ぶ人々、故郷を捨てた罪悪感を抱える人々、無理してテンション上げる人々と反応はさまざま。とりあえず、私もマキナ風呂ほしい。


■名前をいじられまくるサギであった。お手紙を確認し、アザー不倫進捗メールをスルーしつつ、闘技場もラストまで解放されたのでチャンピオンになり、


ここ可愛すぎ。諸々片付けたのでタラゼド中枢部へ。
■タラゼド中枢部ダンジョン進むと、ブロックが敷き詰められた部屋にたどり着き、こころの翼を用いてブロック壊すミニゲームが発生するのですが、極悪難易度でした。何度も挑戦する中で、壁伝いに行く&カーブでゆるやかに曲がること心がければ崩しやすいことに気づきクリア出来たのですが、そこに気づくまでに50回くらい戻されてる。シナリオ上クリアは必須のミニゲームなのに、やたらコツがいるし、攻略方法について具体的な説明ないところが最悪。大樹の枝運搬といい、ぬるぬる石像といい…
クソゲーをのり超えて先に進むと、マルペルシュロの遺児が封印されていた。タラゼド浮遊の際ローロから、マキナの力のみで浮遊ができるはずがないと指摘がありましたが、どうやら各地で集めた遺児達を動力にしていたよう。皇帝審議後サギが捕われた時にタラゼドに幽閉されてたのは、サギの遺児パワーを動力として利用するためだったのかと今更。
■俺精霊は遺児を解放し、動力を失ったことで部屋の足場はバラバラと崩れる。こうして遺児開放すればタラゼド落とせるし、騒ぎ起こせば兵士も分散できるし、一石二鳥だと遺児全4体を開放することになるのですが、それはつまり、地獄のブロック崩しを4部屋強制されるということであり、く、クソゲー!!
■発狂しつつクソゲー×4を終えタラゼド司令室に突入し、ついにバアルハイト様と面会。
「サギ君、最後の邪神憑きである君を葬ることで、私の計画にも、長かったこの戦いにも決着がつく。ミリィアルデ、それも全てお前のおかげだ。よくサギ君を連れてきてくれた。」
娘の異性の友達に君づけするバアルハイト様、なんかいいな。バアルハイト様の言葉を、ミリィは違うと否定。
「わたしはもう、父さまの言いなりのわたしじゃない!ここへはわたしの意志で来たの。父さまに言われていたからじゃない。父さまのしていることは間違ってる!」
■「聞いて、父さま。人のこころの持つ力は決して悪いものじゃない。わたし、サギと旅を続けていくうちにわかったの……。いろんな人と出会って、いろんな経験をして……。ずっとお屋敷で暮らしてきたわたしには驚くことばかりだった。魔法学校じゃ教えてもらえなかったことばかりだった!」
「レイドカーン王のギバリ君への友情。ロドルフォさんの母国を守る勇気。コレルリ様の世界を憂う高潔。おばさまの子供を思う真情。みんな、こころを持っていた!そして、わたしの中にあるこの気持ち……サギを想うこのこころ……!失くしたくない!失くしてしまってはいけないの!」
いいセリフなんだけど、ギロも入れてあげてくれ……まあ、ギロはひとではないから。あと、Wヒロイン、表向き反発しあいつつ裏で信頼を深めているところがミソなので、ここで率直に言葉にしない方がらしさはありますが(ギロミリ派の偏った目線で見ています)
■マキナこそこの世には必要ないと、それも極端だなという発言をするミリィに向かって、バアルハイト様は発砲。ミリィからなんか電気みたいなエフェクトが…と思ったら、裂けた服から露出する、金属!


えええええ、全然気付かなかったよ!
「これでもマキナは必要ないか?ミリィアルデ!?マキナの力でその命を拾ったお前が、マキナを否定するというのか!?15年前のあの事件で遺児にズタズタにされたお前を生きながらえさせたのは何だ!?他でもない、マキナだ!違うか!?ミリィアルデ!」
「ごめんね……、サギ。ごめんね、ごめんね。わたし……、わたし、まだ、あなたにウソをついていた。」
実はミリィの身体のほとんどはマキナでできており、このおかげで今もやっと生きていられるのであった。
「でも、信じて!わたしのこころはわたしのまま。ずっと……かわらない。」
「いいんだ、そんなこと。前にも言ったろ?僕はミリィを信じてる。だから、今はじっとしてて……。」
「ごめんね、ごめんね……。」
二人の出会いを起点にネッカルでジャンプアップした、サギとミリィの「信じる」が再び盛り込まれ、ここでスッとこういうことが言えるのは、サギの良いところ。
■なんかここにきてやっと、ミリィアルデというキャラクターが自分の中でストンと落ちたのですが。ポンコツ人形」って、自虐の部分もあったのか………。ギロに向けた言葉ではありますが、ミリィも実は人形であるが故、自己肯定感の低さからくる、対抗するギロへのマウント取りだったんじゃないのかな。そう思うとミリィかなり性格悪いんですけれど、この暴言がミリィ自身への痛恨のブーメラン発言となっているのが、俯瞰で見た際の巧妙なバランスの取り方であると同時に、非常に残酷。
■ミリィが魔法学校時代友達いないの性格的に不自然だと思っていましたが、そりゃあ体がこんなことになってるなら、周囲と距離置いちゃうよな。一方で、サギとギロに爆速で馴染めたのは、監視対象という明確な目的があったからこそ(そういうなりゆきだからこそ、多分、最初はちょっと二人を下に見ていたフシもある)で、サギギロとミリィが普通に出会っていたら、ミリィがここまで二人に心を開くことはできなかっただろうと思わせるのが皮肉であります。
■それと、序盤のアザー編で、アルマードに対しサギが恋人だと虚言を吐くミリィの行動が意味不明で、サギの人格を蔑ろにしているような印象を受けて嫌だったのですが、あの時点でのミリィはその背景故に、サギが好きというよりも、"普通の女の子"がする恋に憧れていただけにすぎなかったのかもしれません。そんなミリィが旅路の中で、サギの人間性に触れたことや、彼を取り巻く人々との交流を通して、自分の人間性を担保するための身勝手な感情を脱却し、サギ自身を大切に想うようになる、それがミリィが獲得した「わたしのこころ」ということなのでありましょう。
■んで、ミリィ自身がサギという個人に抱いている想いが明言されるシーンが、第三者であるギロによる四画関係の指摘だと思っているのですが、恋バナ、本当にいいシーンだな…ネタ的にも面白いし。
■脱線しすぎた。話を戻します。
「自分の野望のためには実の娘まで手にかけるか……。ぬし、踏み外したな?……許せぬ!サギ、ミリィアルデを見ておれよ!やつにはわしが引導渡してくれる!」
ミリィのために一番怒るのがギロなのが格好良いのですが、壁から出た光線であっさり地面にぺたっと倒れ込むポンコツ人形に、涙を禁じ得ません。紙耐久だからしょうがない。
■「立ちたまえ、サギ君。決着をつけようじゃないか。君はわたしが倒す。それが宿命だからな。」
ミリィからゆっくり離れ、立ち上がり、バアルハイトと向き合うサギ。
「宿命だと!?」
「そうだ、宿命だ!」
「何の話だ!?」
レイピアをサギに向けるバアルハイト様。同時に流れ出すBGMは、前作戦闘曲the true mirror のアレンジで、主人公力がぎゅいんぎゅいんと高まるバアルハイト様。
「いくぞ、ダイモン!この一戦で、全てが終わる!!その力、借りるぞ!!」
邪神憑きサギと精霊憑きバアルハイト様のタイマンバトル。熱い展開です。しかしバアルハイト様、弱いな…闘技場で鍛えすぎた。
■一時、武器をふるう手を止めるふたり。
「まさか、あの研究の成功例が……、完全体が生まれていたとはな。」
人工精霊憑きの研究……。シャナトの言っていた研究か!」
「そうだ、人工精霊憑き実験……。話してやろう。君には、聞く権利があるからな。」
聞く権利とか、サギに対し出来るだけフェアでいこうとするあたりに、バアルハイト様の生真面目な性格が出ておる。
■15年前、オーガン皇帝が遺児の研究をバアルハイト様に持ちかけてきたのが全ての始まり。バアルハイト様はもともと、今あるマグナ・ミクスの元となる研究をしていた。研究は順調だったものの、0.0001%の確率で想定外の物質が生まれる可能性を残しており、実用化まではもう一歩の状況。しかし、オーガン皇帝はGOサインを出し、新たな研究を進めさせる。そこでオーガン皇帝が差し出したのは、ハッサレー遠征の際に拾った、マルペルシュロの身体の一部。
「おまえには、この欠片を人に宿らせる研究を始めてもらう。欠片とはいえその力は計り知れん。これを人のこころに宿らせ、人工的に精霊憑きを創るのだ。」
■異常な命令に抵抗感はあったものの、研究者としての好奇心からバアルハイト様は研究をすすめ(バテン世界の科学者は大なり小なりマッド要素がある!)神を宿らせる段階までは問題なく進んだものの、結果として、被験体は自我を失い発狂。


紙ちらばってる共用デスクに被験体寝かせてて、研究、雑。
■暴走した被験体は研究所一帯を破壊したものの、なんとか葬り、失敗を悟った皇帝は研究を全面停止し被験体を解放。オーガン皇帝は前作のゲルドブレイム皇帝よりまだ理性ある。
■遺児の暴走の際、研究所で生活していたバアルハイト様の妻は巻き込まれて死亡し、ミリィはその身体のほとんどを失うこととなった。妻が死に、娘を瀕死に追い込み、研究の全責任を負わされたバアルハイト様は、ミリィを生命維持装置に入れて帝国を逃亡。
「…すべてから、逃げ出したかったのだ。」
主人公力を上げた直後に、クソ親父ポイントをガン積みするバアルハイト様であった。
■もうこのまま死んでもいいという思いのまま、バアルハイト様がたどり着いたのは、精霊の杜ネクトン。バアルハイト様にコマンドにて語りかけ、死んではいけないと励ましをおくるのは、彼に取り憑いた精霊ダイモンだった。花びらの演出懐かしい〜。
■「皮肉じゃないか?死を覚悟した者に、世界の命運を左右する英知と力が授けられたのだからな!だが、私の戸惑いとは裏腹に、精霊は伝説通り精霊だったのだ。精霊は私の求める知識を与えてくれた。ーーーそれがマキナだ。」
前作、精霊と精霊憑きはたましいの近いもの同士で惹かれ合うとミローディア様から語られましたが、マキナの助言するダイモンは工学系強そうだし、バアルハイト様とは科学者気質同士で波長が合ったのかもしれません。
■帝国に戻ったバアルハイト様はダイモンの助言のもと、世界を救うためにマキナ開発にうちこむ。過去の研究の過ちへの責任だけではない、それこそが精霊憑きである自分の宿命であるから、と。
■なお、こころの翼を奪おうとする理由については、神の力に頼りこころの力におぼれれば、神の戦いと同じ悲劇をうみ、再び遺児を生み出すことになるからだそう。
「違うか!?サギ!!」
テンション高まってきて呼び捨てになっているバアルハイト様であった。
「だからどうしたってんだ!!」
再度刃を打ち合わせる、サギとバアルハイト様。
「きれい事並べて!!そんなの全部!自分のための言い訳じゃないか!」「マルペルシュロの遺児だって、お前たちが触れさえしなければ、暴走することもなかったはずだ!!こころの力に溺れるだって?誰にそれがわかる?そんなの昔の話だろ!やってみなけりゃ……、そんなのわからないじゃないか!!」
■サギの言葉をバアルハイト様は幼稚な考えと一蹴。
「ひとなんてものは水と一緒だ。低いところへ流れ、溢れ出し、自らが自らに溺れる。それを囲ってやろうというのだ。私とダイモンとで!!」
バアルハイト様には自らの過ちに向き合えず逃亡した背景があるので、ひとの愚かさ・弱さは、身をもって知っていることなのだろうと感じられ、いい台詞。そして、バアルハイト様自身が弱さから自分のこころを信じられなくなってしまったがゆえに、全てのひとのこころを信じられなくなってしまったのではなかろうか。だからこそ、サギやギロ、ミリィのような、『自分のしたいこと』ではなく、『精霊憑きの宿命』を芯に掲げているという。
「あなただってひとだろうに!!」
バアルハイト様を斬り倒すサギ。
■サギに決着をつけるために再度向かいたつバアルハイト様だか、立ち上がるギロとミリィ。
「そうはさせんぞ。○○とサギは死なせん。このわしがいる限り。」
物語開始から、一貫してブレないギロ。
「……わたしも、わたしも父さまは間違っていると思う。わたしはひとのこころを信じたい。でないと、自分も信じられなくなってしまうもの!
不変であるギロが対比として生き、ミリィの台詞が非常に良かった。ミリィはひととマキナの狭間で揺れ動く存在のため、自分に育まれたこの想いが本物でなければ、自分がひとだと信じることができない。全てのひとのこころを信じたいのは、つまり自分が人である証明のため。ミリィのエゴが強く出ていますが、そのエゴこそ、ひとがひとであるということなのでありましょう。ミリィの個から全への理由づけは巧くはまりました。
■「いいだろう。世界を導く私に血のつながりは無用だ。」
そして3人でバアルハイト戦。1の精霊魔法だったヘルファイヤを繰り出してくる精霊憑きバアルハイト様は、前述したBGMと合わせて、素晴らしいファンサービス。
■勝利後、膝をつくバアルハイト様。
「なぜだ!?ダイモン!なぜ、ちからを貸してくれぬのだ!」
え、ダイモンちから貸さなかったの?精霊魔法使ってたじゃん!
■ダイモンはコマンドで『間違っていたから』と返答し、サギさんは、ひとりよがりだったからじゃね?と推測(辛辣)。バアルハイト戦後に図鑑を読んだところ、「娘にまで剣を向けたバアルハイトの目的に同意できなかったから」と記載されていたので、ダイモンはバアルハイト様×ミリィアルデ派だったんだと思われます!
■なんか、ゲーム内すれ違い通信で出会う顔の知らない実在プレイヤーみたいな気持ちを、ダイモンに対して勝手に抱いてしまいます。
■やりなおそうとミリィは父親に声をかけるが、そこにログインするは、ネロ様!ネロ様は杖を放棄し、ふん!とバアルハイトの背中に刀を突き立て、足蹴に。
「サギ、お前にはずいぶん裏切られてきたが……。ここに来てようやく、私の望む結果を出してくれたな。」


顔すごいな。なんとネロ様の精霊憑きは大嘘!歩けないのも大嘘!この嘘を用いて人心を掌握していたのだ!…………うん。そうだと思ってました!というか、ネロ様道中怪しすぎて、疑わないプレイヤーの方が、少数派だと思います。
■ネロ様はいけすかんやつだと思っていたと率直な感想を語るギロを、ゲルドブレイムは叱責。
「ネロ様のされたことだ。世界を平和に導くための方便だったに決まっておるだろう!いや、ネロ様の深謀遠慮には頭が上がりませぬ。これでようやくこの世界も平和になる。さすがはネロ様です。」
ネロ様悪人よりも、ゲルドブブレイムが心の底から帝国思いの良い人だったことの方が衝撃。この口ぶり、ゲルドブレイムもネロ様が嘘つきだったこと今初めて知ったな……
■もちろんネロ様は平和のためなどではなく、バアルハイト様の残したマキナと軍事力を元に、彼の手にる恐怖政治をしくつもり。
「僕たちは……あなたに利用されていたと……?」
サギ、遅い遅い!
■ネロ様は作中の行動が、ふわふわ演説でビジョンが何も見えない・サギ達たった3人に軍隊一つ相手にさせて援軍送らない・軍務官として仕事している描写0と、信用する方が無理がある描写だったので、ネロ様の怪しさに気付けないサギ達はさすがにどうかと思います。サギもギロもミリィも、これまでちゃんと脳みそ使えるキャラとして描写されていたため、ネロ様関連だけ物語の都合に振り回されて知性低下してしまったのは残念。
■15年前の邪神憑き研究で、サギを被験体にするよう薦めたのは実はネロ様だった!もともとジーナはネロ様に仕えており、彼女は子供を孕ったのでオーガン皇帝に知らせたと。

………………………え

作中屈指の聖女ポジションだった母さんが、ネロ様と寝てるの?

サギの父親って、そういうことなの?

■急に投入された背徳的な要素に意識が飛びそうになりました。邪神憑き実験失敗に伴い被験体解放してるのに、ジーナが帝国兵に追いかけられていたのは、ネロさまが差し向けたからか。
■そういった事情からネロ様はもともとサギが邪神憑きだと認知しており、同じ邪神憑きならば、マキナ対抗や遺児退治に役立つかもと、バアルハイト陣営にぶつけていたのだ。
■ついでに、ジーナのつばさを抜いてサギを激昂させ遺児化させる計画を企てたのもバアルハイト様ではなくネロ様で、バアルハイト様に泥をつけたかったそう。結果として、遺児サギに迅速に対応したバアルハイト様は支持率を上げ、何もできなかったネロ様は支持率下げたので、ネロ様あほです。私むしろ、バアルハイト様が支持率上げるために企てたのかと思ってたよ!ネロ様こういう時に備えて軍隊用意してなよ!軍務官のくせに!(遺児に人間の力で対抗するの難しいという都合はありそうですが)
■シャナトも実はネロ様と内通していたそうなので、オーガン皇帝殺害・サギへの罪擦りつけ・遺児リスト盗難は、ネロ様による命だったとみて間違いないかな。
■多分ネロ様が当初思い描いていた策って、手駒にしたサギの遺児パワーで他の遺児潰しつつマキナ化も止めて、バアルハイトに皇帝選挙圧勝だったと思いますが、ふわふわ演説から伺えるビジョンも、一軍体に三人で対抗させようとする戦略も、バアルハイトと比較して何もかもグズグズだったので、ことごとくうまくいかなかったんだろうな。で、行き当たりばったりの末、サギがなんかいきなり総大将のバアルハイト倒してくれたので、そこに乗っかって丸ごと乗っとっちゃったという。ここまで格がない悪役も凄い。
■あと、二重スパイしてたシャナト凄すぎですが、彼が遺児に憎しみを抱いている背景鑑みると、マキナ化自体には肯定的だったものの、遺児化研究の元凶かつ精霊憑きであるバアルハイト様のことは確実に嫌いだったと推測できるので、だからネロ様に寝返ってたんだと思う。
■黒幕のドクズっぷりにいきりたつサギたちであったが、ふん!とぶっとばすネロ様。タラゼド立て直すために最深部に向かうネロ様に縋るゲルドブレイム。しかしネロ様はその手を振り払う。
「わからんやつだ。私はすべてを手に入れた。もう必要ないんだよ、何もな。」
「私をお見捨てになるのですか!?あれほど尽くしてきた私を!」
「昔のお前は美しかったよ。だが今は違う。古くなったおもちゃは場所を取るだけだ。捨てるのが当たり前だろう?」
「古くなった……」
なんかもう、ネロ様が黒幕だったことよりも、ネロ様を取り巻く人間関係の方がインパクトあるんですけど……そこも肉体関係あったの!?ネロ様好色すぎない!?サギのモテ描写って父親からの遺伝じゃん(最悪)
■自分の中で完全に納得できたんですが、前作ゲルドブレイムが生命のマグナス作成を通した永遠の命取得にこだわったのって、ネロ様が好きだった美しい自分でいたかったからなのかもしれないなと。ゲルドブレイム皇帝は女性用の化粧していたり、私室にて女装癖があることが匂わされてますけれど、あれも美しくあるための延長でありましょう。
■今まではミローディア様と肉体関係あると思ってたのですが、これは微妙だな……本当に愛した人はネロ様だと思うので、タイプとしては一ミリも噛み合わないミローディア様を抱いているとは考えづらい。小動物のグレイソーンや少年のサギを愛でていたあたり、純粋な可愛いもの好きの可能性が高いとも思うし、ミローディア様(美少女)のことも性的な目線なしに可愛いから好きだったのでは。前作皇帝の私室に大小可愛いエプロンが落ちていたのは、ファッションショーとかおままごとしていた残骸なのでは。見方によっては、セックスよりもそちらの方が歪でおぞましい。
■前作、エキシビジョンマッチで雑に殺されるゲルドブレイムが、万物へ祈りがもたらされる前作の物語からのけものにされているように感じて本当に嫌で、ずっとゲルドブレイムにフォローが欲しいと思っていたんですけれど、ここまで理由を描写してくれて完全に成仏できました。つーかもう、私がゲルドブレイムに憑依して助けてあげたいよ。俺じゃダメか?(あすなろ抱き)
■まただいぶ脱線しました。ネロ様は立て直しのため最深部に。ゲルドブレイムはふらふらと去り、死にかけのバアルハイト様に駆け寄るミリィ。
「ミリィアルデ……。すまない、本当に……すまない……。」
「やめて!あやまらないで!父さま、死んじゃいやだ!!」
「サギ君、ミリィアルデのこと、許してやってくれ、あれは全て私がやらせたことだ。」
「わかっています。……わかっています。」
■「さらばだ、ダイモン。これで君の物語は終わ……る……。」
バアルハイトから抜けていく、桃色の花弁。バアルハイト様の敗因は、精霊憑きとしての宿命を遂行するために、「君の物語」にウェイトを置いていたことなんだと思っています。
■父親をおくったミリィは泣くのをやめ、笑顔でサギとギロに向き合う。
「カラ元気はよせ。泣いてもいいんだぞ。」
Wヒロインがお互いを気遣うシーンを見るたび、萌えすぎて変なうめき声が出ます。
「平……気よ。泣くのは後からだってできるもん。今は……、泣いてる暇なんてーーー」
「……わかった。すべてが終わったらぬしの泣き顔をたっぷり見てやる。それまで涙は取っておけ。」
「ふふ……。べーッだ。あなたの前で泣いたりなんかしないわよ!」
ギロとミリィの種族を超えた友情ほんまええ……
■あとは最深部に突入するだけ、と、このタイミングでネロ様屋敷の秘密の部屋今ならば見れるのではと思いたち、帝都に戻ったのですが、


モブの発言やネロ様の豹変からある程度予測可能だったとはいえ、前作ゲルドブレイムの回転ベッドルームと180度違うタイプのおぞましさ。


■闘技場で写真もゲット。これほど嬉しくないイベントアイテムあるかよ。フレーバーテキストの「これを渡すべき人」はあの人しかいないとシェラタンに寄ったのですが、どうも母さん、まだネロ様が好きな雰囲気で、嫌ーーーーッッッッ!!!!!!俺じゃダメか?(二度目)
よろずやにも寄るとバアルハイト様からお手紙が。


これだけでもうグッときます。
「お前をひとりぼっちにさせるのは、これでお終いだ。私とお前と、そしてまだお前に話していなかった私の友ダイモンと母さんの分まで幸せに暮らそう。お前の身体も、今のマキナ技術ならもっと良いものにしてやれる。辛い思いをさせた。許しておくれ。」
バアルハイト様はダイモンのことミリィに共有していなかったのか。死して判明する娘への真心がつらいのですが、バアルハイト様戦であんな宿命推しだったのは、売り言葉に買い言葉の面もちょっとあったのかもなあ。
■あと、バアルハイト様に撃たれたミリィは普通にピンピンしててその後も戦えたりしていましたが、今回の手紙の内容鑑みると、バアルハイト様は銃撃程度ではミリィが死なないことまで計算し、殺すつもりはなくあくまで牽制のために発砲したのではないかなと思います。とはいえ、娘に対して銃を向けた時点でギロの言う通りすでに踏み外しているのだけれど。