探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1「仮面幻想殺人事件」感想
探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1「仮面幻想殺人事件」クリア。
なぜ今更ガラケーアーカイブスをプレイしたかというと、『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』が大変素晴らしいADV(こちらもいずれ感想を書きたい)だったのですが、このライターは好みに合いそうだと思ったため。
実際プレイして、これは合う。以下事件の核心のネタバレなしの範囲で軽く。
正直、ミステリーとしてはかなりどうかと思う…
結構真面目に推理しながら遊んでいたので、最後にキブカワが物語の枠外から突飛な真相を殴りつける仕様は唖然でした。私が鈍いのを差し引いても、この真相はずるい。
が、もうこれはそういう物語なんだなと。
プレイヤーがストーリーに介入していく、ゲームという媒体である以上、プレイヤーにとって謎解き要素はフェアであってほしいと思っているのですが、今作が重視しているのはそこではなく、ユニークなキャラクターの軽妙なやりとりや、探偵が全てをかっさらうフォーマット、真相の驚きを通したエンターテイメントの提供なのかな、という印象を受けました。
そういう、受け手へのサービス精神みたいなのは、(一作目ということもあり未成熟なところはありつつ)きちんと感じられて、だからフェアじゃなくても嫌な感じはあんまりしないのかも。
あと、パラノマサイトもそうでしたが、テキストのセンスが本当に良くて、日常会話だけでも読ませる読ませる。ペルソナ4感想で「笑い」のセンスが合わなかったことに触れましたが、ここで違和感を感じることがほぼなかったは嬉しい。加えて、生王・キブカワ・伊綱さんの関係性やパワーバランス描写が今作の時点で既に完成しているのは、シリーズものとして凄い強みだと思います。
Switch所持ポイントつかって三作目までとりあえず買ったので、興味が続く限りは続けていくつもり。一作目はミステリーとしてはイマイチな出来でしたが、その部分でも面白さを感じさせてくれれば良いなと思います。
時代を感じるやりとり。
誰かこいつを止めてくれ。
逆転裁判における法定記録的な機能がないため、一生懸命証拠や発言を書き留めている私(ラストでキブカワにブチギレる。)