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批評や分析ではなく個人の感想だよ

ロマンシング サガ -ミンストレルソング- 感想

 『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-をセールで購入。1周目クリアー。面白かったです。
 キャラ選択場面でカーソルが乗ってたので、初心者用キャラかなと思い、アルベルト主人公選択。進行度のはやさはふつう。攻略は見ず拾えそうな要素はじっくり拾ってプレイ時間は33時間くらい。
 以下ネタバレ感想。

 サガシリーズって完全初見プレイなのですが、ホント尖ったゲームというか、システム周りの初見のとっつきにくさは今まで遊んできたRPGでも随一。
 進行度は戦闘回数に依存すると知ったときに、シンボルエンカウントシステム採用しているから敵と出会わないようにうまく回避すればいいんだろうなと思いながらフィールドに出たら、大量の敵が四方八方から爆速で追いかけてきたのには恐怖しました。エンカウント後の無敵時間ないところとか、容赦ねえ。
 とはいえ、フラグ管理ではなく、戦闘回数によって作中時間が経過することで、世界が崩壊していく切迫感を味わうことができるのは面白いシステムで、ジュエルビーストのイベントはその良さがよく出ていたなと。
 〈サオキ開拓村がジュエルビーストに攻撃を受けているのを発見→挑むがやられる→鍛えて再度訪問→ウエストエンドも壊滅している〉という流れを経験したのですが、壊滅前の村の状態を把握しているので、こうなること見えてたのに助けられなかった私の責任じゃん感が出て良かったです。ジュエルビースト結局倒すことができず、サルーインより強いんですけど、何なんだあいつは。
 ギユウ軍のヘルプも、一度目を通しただけでは全然理解できず、実践を繰り返す中で疑問点が湧いたら辞書のように読み返してやっと戦い方がつかめてきた感じ。ボスは全体的に強いし雑魚相手でも油断すると簡単に全滅しますし、トライ&エラーなつくりでありました。
 そのマゾゲー構造を快適に成立させるうえで、リトライが容易&2倍速実装&シナリオ展開が速い、と、テンポが全体的に爆速なのは凄く良かったです。
 シナリオ面白かったのですが、アルベルトの個別シナリオの面白さというよりも、世界観の作りこみが垣間見えたときのドライな描写や、イベントの超展開っぷり、テキストやキャラの癖が、めちゃくちゃ良くて、妙なゲーム。
 特に神の立ち位置が独特で面白く、エロール四天王が、貸し借りしたものの返却のためにこちらを存分にこき使ってくる描写などは、この人たちなら親(サルーイン)の言うこと全然聞かないの納得だなと笑いました。
 最終試練にて、「デスティニストーン作ったのはしくじりだったけど、その結果も人間にお任せして、世界滅びようと受け入れまーす(要約)」と勝手なことを抜かすエロールも、結構問題のある人(神)では?と思ったのですが、その後巨人の里に訪れると、巨人族視点から神々の傲慢さ、身勝手さが語られ、これらはあくまで意図した描写なんだろうなとわかり、なかなか味わい深い。
 「エロールは賢い神だな。人間を力弱く作った」は、エロールを端的に表したいい台詞。

 個別イベントでは、これが凄かったです。

 唖然。
 テキスト面やキャラクターの魅力では、この人。

 すみません。
 殿下が姉さんにいきなりプロポーズ→宴の直後に実家壊滅 だったので、油断したときにモンスターを放つ計画を仕組んだ黒幕が彼だと思っていたのですが、違った。
 最終決戦時の使者コンスタンツとのやりとりは、国同士の厳しい政治的関係を通した今作らしいドライで重厚な世界観の匂わせ方だと感じると同時に、殿下の王の器(統治が目的にある合理的な支配者で、善悪では測りづらい人物ではあるが、近しい人や同胞に対する情もちゃんとあり、物のとらえ方が柔軟)が見えて、格好良かったです。
 演技が若干棒だけど。そこも愛嬌というか…。
 彼をパーティインしていれば、アルベルトとディアナが再開できたりしたのだろうか。

 最終的なパーティは以下の通り。

アルベルト 森の番人(弓)
シフ バルハル戦士(両手剣&片手斧)
ジャミル ローザリア術法士(杖)
ゲラハ ゲッコの騎士(両手斧)
ホーク 海賊(片手斧&細剣)

 ……出会ったキャラをフィーリングで適当に仲間に入れていくメンバー選出方法だったのですが、このメンツだとアルベルトが猛烈に浮きそう。一人だけ野営に抵抗がありそう。
 仲間にできるキャラクターはフリーな中で、シフはアルベルトの専用メンバーっぽい(加入は任意)のですが、坊ちゃんが箱入り息子だからこそ、ワイルド戦士系のシフが相方に選定されているところはあるのでしょうか。シフが前衛に立ち、アルベルトが後衛からちくちく刺す役割で、戦闘能力的にも補完しやすい組み合わせ。
 初めて出会った際シフの「坊や」にアルベルトが少し戸惑いつつ怒った声色になったり、戦闘時さりげなく「アル」呼びに変化しているのがわかったり、想像を膨らませてくれるやりとりで好きです。
 で、名前呼びといえば、戦闘中ホークとゲラハも掛け合いがあったので、ホーク編の半専用メンバーがゲラハなのか。このパーティーは、実はジャミルがあぶれていた。とはいえジャミルは、坊っちゃんが硬派筋肉に囲まれる中、唯一の同世代のもやし系男子で、なかなかいいアクセントになったのでは。

 1周目ということもあり、あまり冒険はせず最初に就いていたスキルを伸ばすスタイルで育成。アルベルトは当初剣士、ジャミルはシティシーフと細工師を上げていましたが、武器が剣に偏りすぎ&術師一人いた方がバランスいいかと思い転職。
 打たれ弱さ除けばすべてのステータスが軒並み高めの器用な弓使いアルベルトと、術使いに特化した能力値により全体攻撃と回復の要になれる術師ジャミルはなかなか優秀で、変えて良かった。特に術師がレベル2から覚える合成術はかなり使い勝手よくて、雑魚戦では無双してくれました。次週ではローザリア術法士とあわせて帝国学術士を一緒に投入しても良さそう。
 シフは見た目通り壁役性能で可もなく不可もなく。武器がいいやつ手に入らなかったのでそこで若干割を食った感じ。
 ホークは本人火力あって素早さも高くて細剣の技も良く武器も選び放題、クラスも大変優秀で、エースアタッカーとして大活躍。
 ゲラハのゲッコの騎士が正直微妙で、クラス的に体術で戦わせるべきなのですが、武器の恩恵がつかないので体術がそもそも微妙なスキルという…衝槍は技が微妙で、最終的に両手斧に落ち着くわけですが、ゲラハのステータスの欠点が器用さで……サルーイン戦では2分の1くらいの割合で攻撃を外す残念仕様に。重装備できるのが強みなので剣士とかにして盾持たせて壁になってもらうのが良かったかも。しかしその場合にしても、シフと役割が被る。
 ゲラハ自体は紳士的でビジュアルも格好良くて好きなので、次に使う機会があったらきちんとポテンシャルを活かしてあげたい。

 とまあかなり楽しんで遊びましたが、現時点で感じた欠点を挙げるならば、カメラワークの悪さ。
 ミニマップの使い勝手はよいものの、マップ切り替え時に進行方向に背を向けてる場合と前を向いている場合があって、間違えて入りなおしてしまいイライラ。
 あと私、ボイスは結構スキップするのですが、ボタンの感度が微妙に悪く、ボイス抜かそうと思ったら次の台詞そのまま抜かしてしまう事故が発生したり。加えて、これは完全に好みの問題ですが、ギユウ軍とか町中のモブはボイス要らないです。
 気になったところはほんとこれくらい。リマスターということもあり、より遊びやすくなっているところもあるのでしょうか、とにかく、尖ったところを楽しんでもらうために、そこをストレスに感じさせないためのほかの部分の気配りが、凄く良く出来てるゲーム。
 顔だけリアルで等身低めのグラフィックは最初面喰いましたが、これは慣れました。シフはよく見るとめちゃくちゃ美形。
 
 んで、2周目ですが、
①もっと女子多めでパーティー組みたい
アイスソード欲しさにガラハド殺しちゃったので、今度は仲間にしてみたい(早速おじさんで仲間ひと枠埋まる)
③ジュエルビーストを早めに打倒。
④なぜか解放されなかったサンゴ海に行きたい。

 が、目下の目標。武器とかクラスもいろいろ試してみたいなー。
 余裕あれば4つくらいしか集められなかったデスティニーストーン収集、ステ巧く上げられればエロール四天王に挑戦してみたいです。