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批評や分析ではなく個人の感想だよ

『バテン・カイトス』プレイ日記5(終了)

コル・ヒドラエ突入からラストまで。

〜コル・ヒドラエ編〜
■エンド・マグナス解放に五大陸の力が使われたことを逆手に、コル・ヒドラエ突入にあたり五大陸の力を利用したれという、コレルリ様の力技。
■魔女たちが引きこもっていたロドルフォ様の尻を叩き、ついに四大陸代表が揃い踏み。ゲルドブレイムが死亡したため、帝国はなし。


■改めて"救う"が強調されるミローディア様。悪役として格を保つ意図はあったかと想像しますが、ミローディア様の事情がこの終盤に来てもさっぱりわからないので、個人的には現段階では救いたいと一切思えないのがネック。周りに救われたカラスが、一時期共同戦張ってた彼女を救いたいのは理解できますが。
■ミローディア様はマルペルシュロとこころをかよわせており、ゲオルグはエンドマグナスのちからの影響を受けていたことから、ミローディア様とゲオルグどちらもマルペルシュロの意思によって動かされていたのではと推察するリュード(学者肌)
■世界を暗黒の闇にしようとするミローディアの意志・マルペルシュロに対抗するカラスやフィーを生み出したゲオルグの意志。マルペルシュロによって意図されたものが、相反する二つの流れをもっている。
■「……みんな、平気で矛盾したものを抱えて生きてる。他者に誠実でありたいという気持ち、何もかも投げ出してしまいたいような気持ち……」
女王の役目を背負うシェラが語るのがしんどい。
「ミローディアと、カラス……、あなた達はそれぞれ、マルペルシュロのこの世界に対する呪いと祈りなのよ、きっと……」
ここにきてマルペルシュロの目的が(推測という形ですが)定まりました。体の部位のみ封印されたのち、キメラとして顕現し、踏んだり蹴ったり人生なので、世界呪いまくるのはわかるものの、世界へ祈りをもつ理由は何なのか。壮大すぎて今更回収できる要素ではないと思うので、続編ではマルペルシュロのルーツを深掘りしてほしいなとは思うところ。
■最後の決戦前にカラスはあらためて精霊俺にお礼を告げ、打算で始まったこの関係もきっちり更新。
■各大陸代表はコル・ヒドラエに謎ビームを出し、みんな割と武闘派だった。それでも四大陸のみでは打ち破ることはできず、そこに帝国代表として登場したのが、エイメとフォロン!あとアズダー。
■帝国トリオ贔屓気味に見てるので、この最終盤に超良い見せ場をもらって嬉しかったです。本来こういう場で手を貸しそうにないエイメとフォロンのようなキャラクターが立ち上がるのが、あの男の遺言ありきだろうなとちゃんと想像できるのも良い。
■ロドルフォ登場もそうでしたが、この最終局面において、キャラクター全てに活躍の場をもたそうという姿勢は好感が持てます。
■「ゲオルグによって、エンド・マグナスのちからを授けられたあたし達だ。心配いらない、やれるよ!」
と、エイメ達には辛い過去であろうことも、プラスに変換できているのも、燃えました。
■皆の力を借り、バリアを破ってコルヒドラエに突入。エンドマグナスの元となった神々の霊体が前座として君臨し、撃破しなければマルペルシュロのもとに辿り着けないそう。


■最後の最後にギャップが凄まじいサヴィナ。
■トウ・キョウ・シュ・ドウ・ソク戦、耐性は異なるものの性能も似通っておりほぼ作業ゲーに。苦行。
■いざミローディア様とマルペルシュロのもとへ。
「ミローディア……、迎えにきた。一緒に帰ろう、オレたちと。」
カラスはミズチさまに対してフィーを重ねたような柔らかい言い回しをしますが、ミローディア様に対してもそんな感じっぽいな。年もそんな変わんないでしょうし。ミローディア様、謎にカラスの妹キャラだし。
■ミローディア様はカラスのお迎えを嘲笑いながら跳ね除け、ついにマルペルシュロ戦。火力もHPもさほどなく、弱点も多いので、シェラの魔法連発であっさり勝利。
■四大陸代表も追いつき、神の死体でキメラつくっても不完全に決まっとるわと、マルペルシュロを正論で容赦なくdisるコレルリ様。
■もうやめてーと説得するカルブレン公に、ミローディア様は反論。
「見て!!もう、以前の病弱な私とは違う!ミラ大公家の正当な後継者としてエンド・マグナスを受け継ぎ、いにしえの神々の力を手に入れたのよ!!」
オルグと同じく無意識のうちにマルペルシュロにコントールされてたきらいのあるミローディア様でしたが、個人の事情としては、病弱さへのコンプレックスと、家名を継ぐ気負いがあって、力を求めたっぽい。両親が既に亡くなっており、カルブレン公も高齢なので、プレッシャーは理解できます。
■そこにガルブレンから種明かし。ミローディア様は九年前に流行り病で両親と共に死亡しており、エンド・マグナスから再生された偽りの生命だった!モブの会話で九年前の話が出てきたとき、ミローディア様は別人に入れ替わっているのではと思ってましたが、命にエンドマグナスが収まったのみで、ベースはちゃんと彼女のままか。とはいえ、いいように操縦されていたことを自覚したミローディア様、ブチギレ。


そう思うよねぇ………一気に家族全員失いたくなかったカルブレンの心情も理解できるのが、また辛い。
■マルペルシュロは絶望したミローディア様をのみこみ、神々前座ーズも吸収され、完全体に。羽も生え、天使のようないでたちで格好良い。
■マルペルシュロ完全体の攻撃をフィーの霊体が庇い、死してなお、超デキる男のフィーであった。マルペルシュロは城の屋上に上がり、追いかけるカラス達。
■「フィーが……、オレにくれた、生命のマグナス……。おまえたちのエンド・マグナスの滅びのちからと、フィーの……、オレたちの、生命のちからと……、どちらがこの星の明日を継ぐのか……、最後の勝負だ、マルペルシュロ!!」
で、真マルペルシュロ、耐性が時間経過により変化&2回攻撃&HP吸収&状態異常攻撃&鬼火力&高HPで、ラスボスにふさわしい強さでした。一回負けたので、デッキ編成し直して無事勝利。
■ミズチさまに一時マルペルシュロを拘束してもらい(あっさり描写しているもののミズチさま凄すぎ)ミローディアを迎えに、マルペルシュロの中に入り込むカラス。
■さんざん再生しているフィーの死亡シーン回想ですが、今回はミローディア様視点も追加。精霊の器たる男の気配を察知したミローディア様は、フィーの力によって蘇生直後ジャコモ絶対殺すマン化したカラスに「力が欲しいか?」ムーヴを決め、ここから二人の共同戦線が始まった。闇のボーイミーツガールだよ〜
■帰宅したミローディア様から血が流れ……初潮によってミラ公家の正統後継者になったことを喜ぶメイド。……………気持ち悪いな……………これがミローディア様の家名を継ぐプレッシャーになり、道を踏み外す決定打になっているので、意図的に気持ち悪い描写しているとは思うのですが………つまり、メイドのせいだ。
■カルブレンが現当主なあたり、男性も家継ぐタイプの家なので、男児の場合は何をもって正統後継者になるんだろうか。…………精通?どちみちセクハラじみてて気色悪いですが、家族や使用人がそのこと認知して祝うとか、ミラ公家、おぞましい一族。
■「ならば、継ぐべきものを継がせてやろう、しかと……」
とマルペルシェロと思われる男性の低い声の幻聴の後に、マルペルシュロの影響を受けていたっぽいミローディア様のこれまでの道のりが高速カットインされるのですが、その中に、帝国内部の回転ベッドルームで寄り添い合うミローディア様とゲルドブレイム陛下がおり、やっぱこの二人肉体関係あったよね!?なぜミローディア様周りだけ、こんな攻めた描写を………
■回想は終了し、ミローディア様と帰る為に彼女を呼ぶカラスと精霊俺。


■この呼び方は、マグナスから作られたカラスと、マグナスによって蘇生させられたミローディア様で、共にマルペルシュロの影響下にあったマグナス兄妹ということでしょうか?未だにちょっと腑に落ちないのですが。
■カラスにお姫様抱っこされマルペルシュロから脱出したミローディア様は、青髪に変化。もうわけわからん。堕天カラスが白い翼でしたし、白は今作においてマルペルシュロのイメージカラーだと思っているのですが。ミローディア様の本当の髪色は青で、エンド・マグナスによる蘇生をしたときに白髪になったと考えるのが妥当か。それが今回マルペルシュロと一体化することで、力を吸収され青髪に戻ったと推測。
■マルペルシェロを改めて封印するための手立てとして、ミローディア様が神器修復を提案。昔の魔導士は精霊の力をもって神器をきたえた観点から、ミローディア様のエンド・マグナスとカラスのいのちのマグナス、俺精霊の力を一つにすることでもできるのではないかと。
「やらなくちゃ、私が……。せめて私が、眠らせてあげなきゃ……、あの子を……。」
“嬰児”呼びもしていましたが、やはりミローディア様にとってマルペルシュロは我が子なのか。道を踏み外すきっかけが初潮だったあたり、マルペルシュロは彼女の母性につけこんだところも大きいのかもしれません。そうなるとカルブレン家の謎風習だけじゃなくてマルペルシュロも気持ち悪いな。
■カラスとミローディアと精霊の力により神器は修復され、体を縛り付けられるマルペルシュロ。


■シェラがマルペルシュロを痛みから開放し、光の粒子となり消滅。正義と悪の境界は曖昧であるし、敵対した者にも事情はある。だからこそ“祈り”は生きとし生けるもの、全てに対してもたらされる、ラスボスのマルペルシュロに対しても貫かれました。
■「苦しかったでしょう…?哀しかったでしょう…?ゴメン……、ゴメンね……。海へ、おかえり……」
マルペルシュロ、人間視点ではた迷惑なキャラクターではありますが、境遇は屈指の悲惨さなので、そのつらさを抱きしめてくれる人がいてよかったし、その役回りがシェラなのも納得です。
■カラスたちは城から脱出。異界ゲートが開き、ブラックホールに飲み込まれていく魔物たち。泥雲は消え、地上の姿があらわに。高速で落下しはじめた五大陸を神の前座―ズが立ち上がり、支え、大陸の足場となり、神は大地となるのであった。

~エピローグ~
■大地に帰ると、コモ・マイにて一時の祝宴が開かれていた。
■大地で生きるうえで本当に大変なのはここからだと現実を見据えつつ、これから忙しくなるから今夜くらい羽目はずしてもいいんじゃね?と、やはり超前向きなギバリ。ギバリって、実は楽天的さとか無鉄砲さはさほどなく、物凄く地に足ついてる人なのですが、そのうえで滅茶苦茶ポジティブなのが偉いですよね。だから「人は裏切る」ことを念頭に置き、「誰も信じられないで一人で生きていくよりも信じて騙された方が幸せ」という価値観をもっているという。
■世界を救ったカラスたちから、新しい世界をつくる各国代表にバトンタッチし、力を合わせるコレルリ様・レイドカーン王・ロドルフォ様。なんとなくコレルリ様がリーダー格っぽい?実際やり手なので、レイドカーン王とロドルフォ様は尻にひかれそう。
■カルブレンはこれからも傷を背負って生きていくミローディア様をいたわり、カラスは自分たちがついていると伝え、カルブレンも彼女を支えていくことを決意。とりあえずお宅の初潮家継発言メイドには暇を出した方がいいと思う。
■ミズチさまは仮面を外し、これから大冒険を予定。リュードは祖国復興のために他国と手を取り合って働く決意。ギバリは漁師に戻るのかな。その後どう生きていくかが最も気になっていたサヴィナは、メイフィーのすすめで料理を始めてみることに。ただ生きるためには適当に食物を摂取していればよく、料理の腕前は食物をよりおいしく食べるため、人生をより豊かに彩るために必要なもの。「生きるってことは、美味しいってことじゃないですか」って翔一くんも言ってた。死に場所を求めていた彼女の着地点として、良かったと思います。もうちょっと前振りしてくれればより劇的になったのにと思わなくはないですが。
■皆今後の道が示唆される中、月騙しの森最奥の泉で元気のないシェラと落ち合うカラス。
「いつ、気づいたの?」
「きみが、オレから離れた精霊とたがいに呼び合って……、精霊つきになったと知ったときに……。それと、ミラに行く途中、ジャコモ達に襲われて、異空間に落ちたとき……、あの時、きみは口をすべらせた……。」
き、きみ呼び!
■シェラは月騙しの森で出会ったといったものの、カラスの認識ではケバルライ村が出会った場所であり、この齟齬から、自分とミローディアの密談をシェラが見ていたと推理するカラス。確かに。私全然気づかなかったよ。名探偵カラス。
■カラスがシェラの隠し事を問うと、回想へ。シェラが見ていた密談は、ちょうど精霊俺に記憶消去計画を種明かしする瞬間であった。そういえば、堕天直前もミローディア様との計画みんなバラしてくれたし、カラスはこういうとこ律儀だよね…なお、記憶操作の術はミローディア様にかけてもらった様子。エンドマグナスのちからってすげー!
■精霊はついた人の脳内に声をかけるのみで、直接手を出すことができない致命的なデメリットを抱えているわけですが、そこをうまく利用した計画で、このあたりの構成はつくづく良くできています。
■このゲーム冒頭、カラスと精霊の出会い→ゲオルグ襲撃、の過去映像の順序を入れ替えることでプレイヤーに時系列を誤認させた点もそうですが、叙述トリックをテクニカルに使ってきてしびれます。


■倒れた青年の傍にしゃがみ込む白い少女。木の陰越しに見つめるシェラ視点では少女の表情をうかがえず、ぞっとするほど美しい構図。
■ミローディア様は消え、カラスのそばに近寄るシェラ。ミーマイに協力してもらいカラスは村まで運び込まれ、かくして、物語はスタートするのであった。この最後の最後まで伏線回収が。
■「……月騙しの森って、月の魂の森という名なのよ、ほんとは……。“魂”がにごって、“騙し”になってしまったのね、いつの間にか……。わたしたちも、大切なものをどこかにしまい忘れて……、そのことさえ忘れて、生きてるんじゃないかしら。そうして、ひとを……、自分さえも欺いて……。」
“ただのシェラ”として仲間を、好きな人を、自分を、欺いてきたシェラ自身にも、勿論かかってくる言葉でしょう。
■ここで、シェラはサブシナリオで語られた正体をついにカラスに開示。大陸がクジラの力で地表を離れた千年前、魔導士たちから氷の国に、海の鏡と一緒に託されたものがあった。
■魔道の一族として共同戦線を張っていた土の民の魔導士と氷の国の女王は、空に逃れるにあたり伴う負担を分担していた。土の民は泥雲の下での生活を余儀なくされ、一方氷の国の女王は……
「カラス……、わたしのなかに、海があるの……。わたしが、海なのよ……。」
母なる海とは言いますが、超慈愛深い強ヒロインシェラさん、マジで海だった。
■海封印する意味あるか?という疑問があったのですが、いずれ再びきたる大地での生活の時まで、傷んだ大地の汚染から海を守る意図があったよう。いやはや、気の長い計画です。
■カラスが敵なのか味方なのかわからなかったが、何かに魅入られていることは察知していたので、そばにいて見守って、助けてあげたかったシェラ。ほかの人とちがう、精霊をやどせる人特有の異質さと哀しみへの共感が彼女をそうさせたと語りますが、その愛の出力方法が、裏切んじゃねえぞ…という、遠回しの、圧!!


■シェラが自分のことでこうやって感情的になるの珍しいですよね。それだけ今余裕がないんだ。
■氷の女王最後の務めにあたり、自分の中の海をカラスに開放してほしい(なんかちょっとエッチだ)と願うシェラ。カラスとシェラなら精霊を媒介してこころをひとつにし、海を呼び覚ますことができるそう。精霊万能説。
■一度断るカラスであったが、シェラの覚悟を受け、苦渋の決断を下す。


エッチすぎる。一回くらいチューした方がいいんじゃない?俺精霊目瞑っとくから。
■シェラ→カラスは露骨でしたが、カラスも明確にシェラに好意持っていますよね。カラスの「きみ」は今までミローディア相手に出ていましたが、あれは計画の協力者かつ、フィーと重なる疑似妹ポジションでもあるミローディアのことが自覚的に大切だったからこそだと思っています。カラス、年の離れた子供に露骨に甘いですし。で、今回シェラを「おまえ」ではなく「きみ」呼びしているのは、彼女が大切だということにカラス自身が気づいたからでは。それはミローディアへ向けるものとはまた違っていて、何かきっかけがあったのかもしれないし、少しずつ育まれたものかもしれない。
■祈りの言葉を俺精霊もコマンドにて共に唱え、これにてさようなら…と思いきや


なんで。
■皇帝死亡の際、谷底に沈んだから大地と一体化して大きくなったんだね………………納得できねえ~~~~!扱い的にはエキシビションマッチだし、最後の最後まで身勝手だし、祈りによって弔われないし、何のために出てきたんだ皇帝…謎。
フォロン&エイメやリュードの兄姉に同情できる点があったり、ジャコモやマルペルシュロも弔われる点が、バテン・カイトスらしさだと思っていたので、皇帝は急に出てきて雑に処理されて、今までの流れも正直ぶち壊しだと思うんですけど。今作のバトル最後の最後まで致命的に趣味に合わなかったです。次回作で皇帝が独裁者になる過程が描かれてフォロー入るといいなと思うんですけど、難しいかな。
■皇帝出てきた瞬間、魔女たちがわらわら出てきて、この人たち姫様の一世一代の告白を出歯亀してたんだ。
■皇帝戦を終え、ついに力つき倒れこむシェラを抱きかかえるカラス。
「あなた方おふたりは、伝説となり、神話となるでしょう……。」
「ううん……、そんなものに……なりたくなんかない………」
■「カラス……、二年前、わたしがみた夢は……世界の破滅の予知夢なんかじゃなくて……あなただった………暗い森の奥で……、誰かを抱きかかえて泣き叫んでいる……、あなたの姿だった……わたしは……、ただ、あなたのそばにいてあげたかった……
シェラの大義の理由として歴代女王から続いてきた責務があったわけですが、シェラ個人の理由にちっぽけな恋が収まり……一目惚れで世界まで救う女、シェラ。
■先ほどシェラ自身が解説してくれたように、カラスが抱えている孤独への共感がその恋の土台にあるものの…………やっぱ陰のある男を面倒見るのが好きなんだろうな。(野暮)とにかく、シェラが惚れっぽすぎた違和感にもきちんと理屈が通ってよかったです。
■シェラは消滅し、カラスの体制がフィーを失うときと同じなのがつらい。腕の中で大切な人を二度も失っているんだ。
■シェラの体は、雨となって大地に降り注ぎ、海がよみがえる。そして、グレイソーンの大軍は空に飛び立ちクジラになるのであった(!?)いやここ全然気づかなかったです。フィーがクジラに会って聞いてみたかったことって、グレイソーン関連だったりする?
■場面変わり、ネクトンにて、カラスとミローディア様の回想。
「決して交わることのない、遠い場所、遠い時間……。そこから届く、誰かの、声にならない言葉……、言葉にならない想い……。ほんとは、精霊をこの世界に呼び出す必要なんかないのよ……。精霊達の方が、私達のことを、こんなにも楽し気に呼んでいるんだもの……。
はい。そうです。
「べつべつの世界で、それぞれ見果てぬ夢をみて、哀しく憧れて……、たがいに惹かれ合うの……。きっと、魂のちかいもの同士が……。」


熱い演出。
■場面変わり現在のネクトン。シェラ以外の人々が勢ぞろいし、カラスがプレイヤーに問いかけ。
「あの夜、オレたちがおまえをこの世界に呼びよせたんじゃない……。おまえが、オレたちのことを呼んでたんだよ。おまえは、何を探してたんだ?
ゲームを購入し、遊ぶプレイヤーの行為そのものを、ここにきてゲームキャラクターが問う。
■私はどうしてここまでこのゲームを遊んだのか。それは、カラス達の物語の行く末を知りたかったからだろうなと。
■優れたゲーム作品に触れるたびに感じるのですが、そのゲームが没入できる作品であるほど、自分にとってキャラクターがただのゲームキャラクターではなくなり、その人の人生を一緒に追体験させてもらっている気持ちになります。これはキャラクターを操作するゲームという媒体だからこその感覚で、バテン・カイトスは、まさにその感覚を鋭利に体現してくれるゲームでありました。
■カラスたちの物語に触れることでなにか大事なものを追い求めたプレイヤーが、ゲームを終えて現実に帰っていくにあたり、エールを送るカラス。


■良い流れなんですけど、用済み感が凄い。
■かくして精霊はカラスとお別れ。しんみりするカラスに、突然現れた子供たちが海岸に落ちていたペンダントを渡す。ペンダントからシェラの声が聞こえ…復活した!シェラだけ犠牲エンドあんまりではと思ったので、よかったよかった。
■カラスはシェラを抱きしめ、今現場にいるギャラリー全員が後方彼氏面してると思う。俺精霊もしている。ヒューヒュー。
■消えようとしていたシェラをミーマイが一つにすることで復活したという謎ロジックですが、ここはご都合主義でしかるべきなので、ミーマイGJ。クジラも神なので問題なし。
■仲間たち一人ひとりが、プレイヤーに向かって感謝を告げ、こちらこそ、皆の人生の分岐点に関わらせてもらって、本当にありがとうの気持ちです。うれしいですが、少し寂しさもあり。
■そしてカメラは引いていき、海と大地を映し、スタッフロール。キャラクターたちのその後が。

ギバリ:レグリスとアナと釣り
リュード:トンカチ所持
サヴィナ:しかめ面で料理
ミズチさま:子供たちと外遊び
カラスとシェラ:龍に乗って二人旅

■ギバリ、三十路にして中高生ラブコメみたいな生活送っとるな…。リュードは復興工事でしょうか?場所が帝国じゃなくてフェルカドに見えるけれど。サヴィナは戦うためだけではない人生を楽しみ、ミズチさまは才能の有無関係なく普通の子供に戻るのかな。シェラは責務を終えてカラスへの愛をあたため、爺ちゃんとフィーを失ったカラスはシェラを通し新たに家族を得るのでしょう。
はぐれものだった人々は帰る場所を掴み取り、それぞれの場所で皆の旅路はこれからも続いていくんだ。と想像させてくれて、よい一枚絵でした。

 少しファンサービスにすぎる部分はあるエンディングだったものの、その爽やかさがプレイヤーの現実回帰の後味のよさに繋がっていてとても好き。メタ要素強いゲーム構造との兼ね合いの点で、良かったと思います。
 序盤ややダレがちだったし、マグナス同士を組み合わせてコンボを作る戦闘システムは練りこみ不足が否めないし、一部の戦闘イベントは本当に許せないし、リマスター追加要素も雑な部分があるし、決して完全無欠の神ゲーではありませんが、中盤のどんでん返しから後半の王道展開に繋げるシナリオ構成は非常に秀逸でした。また、そのどんでん返しのギミックであった"精霊=プレイヤー"という設定が、ただのギミックではなく、物語を終え明日を生きるプレイヤーへ贈る、キャラクター達からのエールとなる着地には、突き刺さるものがありました。
 何故ゲーム、とくにRPGが好きなのかというのを、そのゲーム性を用いて体現してくれたのが、私にとってのバテン・カイトスだったなと。
 総括も書きたいけど、書く書く詐欺になりそうなので、ひとまずこれで。バテン・カイトス感想でした。