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批評や分析ではなく個人の感想だよ

ウソゴクざっくり感想①

ウソツキ!ゴクオーくん最終回をリアルタイムで体験したのですが、人生レベルで得難い至高の最終回だったために、総括感想か同人誌を書くのが自分の中の宿題になっておりました。

いい加減手をつけるかと一から読み返し始めたのですが、「これはメモ打ってるだけで終わるな!」と思ったので、そのメモを公開します。総括はちゃんと書きたいとは…思ってます…いつになるやらだけれども。
なので、これはあくまであとで自分が見返す用で…

この記事は1〜3巻まで。

 

1巻
・ゴクオーくんがはだけた胸元からネコカラス出すやつ、セクシー。
「ぜんっぜん平気だよ!」"自分が嘘をつくこと"と"保身のための嘘を暴くこと"を楽しんでいたゴクオーくんが、天子ちゃんの"自分を奮い立せるための嘘"に衝撃を受けるという、2人の始まりのシーン。
・おそらくゴクオーくん本人も、閻魔大王として気が遠くなるまでの時間人間の醜いウソを暴き続けてきたがために、人のウソは基本的に保身のもので、ウソやウソ暴き自体もあくまで職務の一環の捉えていたと思います。
"自分を奮い立たせるため"や誰かのため"の人間のウソに触れたのは、この時が初めてだったんじゃないかな、とは。
・「いいえっ!ちょっと足がしびれただけです!」「やっぱいいね!天子ちゃんのウソ!!」熱い応酬。
・初期ゴクオーくんの得体の知れない魔少年ぷり新鮮。この時期の地獄王でしか得られない栄養がある。
・戸屋くんをクラスメイトが元気づけるシーンで「あのっあのっ」しか言えていない皆見先生(新卒代理担任)
・地獄の炎開閉、そんなゾルディック家血の誓いシステムみたいなやつなんだ。
アスタロト族出身のバトラーは多分、実家が太い。性格が細やかで立ち振る舞いも上品なのも、育ちの良さを感じます。
・「地獄とオレっちに関する記憶を…天子ちゃんから消す。」「二度とオレっちは天子ちゃんの前にはあらわれない。」「ゴクオーくんの記憶をわたしから消さないでぇ…!」今作のキーワードである『記憶』と『別離』の要素が初出。
・「学校でも地獄でも、変わらない。ネコカラスちゃんはネコカラスちゃん。ゴクオーくんはゴクオーくん。ウソが大好物な、なぞの多い男の子です。」
・二人の関係性については、一旦ここ(4話)で着地。
・天子ちゃんはゴクオーくんの地獄王としての部分を、ここで全て受け入れたわけではなく、彼女にとってはあくまで"クラスの友達"。"地獄王"としての知らない側面があることは知りながら、その両面の芯となる部分は変わらないことは理解する。というのが、この時点での着地点。
・地獄体験後「明日算数のプリント忘れちゃダメだよ。」と伝えるおもしれー女。

2巻
・『八百小ナンバー1ウソツキはどっちだ!?』嘘暴きフェーズが凝ってて面白い。
・「ちょっと待った」でゴクオーくんの隣に出た捻田がかなり上背あって不気味で驚いんたんですが、これも嘘暴きと連動した仕掛けっぽいな。
・「神様だ!ゴクオーのあの怒りを静めた神様だー!!!」「よっ!女神さまっ。」今読むと某天使の顔がよぎり、全然笑えません。
・犯人扱いされた上で、真っ直ぐゴクオーくんを見据える天子ちゃんの澄んだ、瞳!
・「信じてたから。ゴクオーくんが絶対ウソついてるって。」出会って間もない得体の知れぬ少年の『ウソ』の裏にある信念を信頼している天子ちゃんに、4話を踏まえた上でのステップアップを感じます。格好良すぎて、天子ちゃん…なんて、カッコいいんだ…!(亜双義構文)
・天子ちゃんのゴクオーくんに対する信頼に感化された大荒輪くんが、ラストの演説の「信じてください」に繋がるのも気持ち良い。結果が副会長という現実のシビアさのバランスも、都合良くなりすぎず良かったです。
・生家くんと江里渡くんの舌を抜きそびれてゴゴゴ…するゴクオーくん(身勝手)がドS。やはり、趣味で人の舌抜いてるところあるな…
・天子ちゃんと出会い人間の嘘の面白さに出会えたものの、基本的に人間の嘘を『調子のいいもの』『楽なもの』ととらえているゴクオーくんの、ブラックな部分が垣間見得る。
・跳び箱回を経て、裏スポーツマンシップ回でイケメン化する戸屋…!更生し成長するクラスメイトの描写の丁寧さも、今作の魅力の一つ。
・蹴飛ばされた泥まみれおにぎりをむしゃむしゃたべるゴクオーくんが、完全にロロノア・ゾロだよー。
・「ま・る・ぎ・こ・え」→戸屋とゴクオーくんのハイタッチ→マイクは故障中だった!この流れは何度読んでも熱い。
・裏スポーツマンシップ回のゴクオーくんの行動は、運動会に熱意があるこどもたちへの配慮が見えるところ。彼にとっての愛着が、天子ちゃんのウソからはじまり、人間の営みそのものへと広がっていることがわかります。
・この回は戸屋が異常にイケメン度高いんですが、亜刷の戸屋に対する情念エンド。
・「このままだと戸屋に忘れられちまいそうだと思ったんだよー!」は、天子ちゃんとゴクオーくんの関係性にもかかってくるセリフ。
・「どいつもコイツもウソついて自分を隠して結局バレて…、それでもゆるされてまた仲良くなって…、またいつかウソをつく…。やっぱりオレっちは、人間のつくウソが好きだね!」「このときわたしは、ゴクオーくんがなんでウソが大好物なのか、ちょっとだけわかった気しました。」ウソゴクの骨子とはまさにこの、人間讃歌。
・亜刷のウソを暴くことで戸屋と亜刷の間に「友情」と「別離」を孕んでいることが明かされ、善悪問わずウソを通した人の営みを尊ぶ人外のゴクオーくんも格好良く、裏スポーツマンシップ回は傑作だなあ…アニメ化したら一期の最終話はこれで!
・帯の「小野天子(20)」がじわじわくる。

3巻
・弟を元気付けたい番崎くんのために天子がついたウソが、ゴクオーくんがウソ暴きする最後の一線になるのは、今作のベタなパターンですが、萌える。
・「番崎クンの本音が知りたかったし、天子ちゃんのウソを見ていたかった。」
・一万円札を所持しているゴクオーくんに興奮します。
・“一番近くにいるノンコに笑ってほしい”ヒッチーと、“恥ずかしがり屋のヒッチーを気遣って笑えない”ノンコの、すれ違い幼馴染かわいい。ノンコは正統派ヒロイン力高いなあ。
・「ゴクオーくんはウソツキだよ…。でもっ…、ゴクオーくんはこういうつまらないウソはつかない!絶っ対つかないよ!」
・お金を胸ポッケからはみ出し目をかがやかせながら、壱兆くんを庇うゴクオーくん、のシーンは秀逸。
・10大地獄長のうち5人登場。腰が低い会社員風の中年男性で、一番でかい怪鳥倒しているチチジさん好き。
・「二代目閻魔大王を決めようと思う」「現世の方が楽しくなってきちってさ~」に少し表情が明るくなる天子ちゃん。
・「最初わたしは、ゴクオーくんが閻魔さまじゃなくなったら、もっとずっといっしょに学校にいられる時間が増えるから、うれしいなって思ったけど、でも地獄長のみなさんとお話しして、ゴクオーくんがどれだけ今の地獄にとって大切な人なのか教えてもらいました!」
・初めて地獄にきたときの天子ちゃんにとっての“地獄王”って、ゴクオーくんがそういう側面を持っていることは知りつつも、彼女にとってクラスメイトの友達であることに変わりはない、という認識だったと思うのですが、ここにきて地獄王としての実際を第三者の視点から見聞きする。
・ゴクオーくんが大切な友達で、もっと一緒にいたいけど、“クラスメイトのゴクオーくんを大切に想う”天子ちゃんは、自分と同じく“地獄王のゴクオーくんを大切に想う”人たちの気持ちを侵すことが出来ない、という、小野天子らしい結論。
・ここの、ゴクオーくんにとって「地獄王」と「小学生」のどちらの比重が大きいのか?を深掘りしたのが、サタン編だったのかな、とは、今更ながら思うところ。
・ゴクオーくんが機転利かせて天子ちゃん地獄に連れていかなければ、この時点で面識ない天子ちゃんそのまま誘拐していたと思われるユーリィ。極悪キショ天使すぎる。
・おまけ漫画「ゴクオー地獄の1日スケジュール」ブラックすぎて泣けます。現世エンジョイしてください。
・ゴクオー初期イラスト初見時一番驚いたのが天子ちゃん(ほぼ藤堂さん!)なのですが、ユーリィ主人子のスピンオフとかあったら、藤堂さんがヒロインヒロインしてくれるんだろうな。
・今作を非常に評価している理由の一つが、小野天子の存在なのですが、彼女を“ウソを許さない人間”ではなく、“オモシレーウソをつく人間”にしたのは、善悪ひっくるめたウソの描写に伴う人間ドラマに厚みが出るので、あらためて秀逸だったと思います。
・となると、天子ちゃんにとって本作は、ウソを通して『自分の弱さと戦う物語』なのかもしれないな。