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批評や分析ではなく個人の感想だよ

コワすぎ!簡易感想

 無印〜超まで見た(『オカルト』は未視聴)
 核心のネタバレなしの範囲で軽く。
 
 『投稿者から送られてきた恐怖映像をもとに、撮影スタッフが検証・調査を進める』ドキュメンタリーの形式を取りつつ、それを彩るキャラクター達、特に反社に片足突っ込んでいるような工藤ディレクターのアクの強さをウリにしているフェイクドキュメンタリー。
 工藤が霊能を暴力で解決していくのが面白いという前評判を聞いて視聴を始め……そこもすごく面白いのですが、なぜそっちの方向にアクセルが踏まれるのかみたいな意外性や、その意外性を受け入れるシリーズの懐の広さが魅力のコアな部分なのではと思いました。工藤もその流れの一部というか。
 私パート4の花子さんが大変好きなのですが、まさかこの導入からタイムリープSF×女の子の熱い友情ものが飛び出てくるとは思わず、ホラーと見せかけて・工藤Dやばいと見せかけて、ストレートなドラマを不意打ちでぶち込まれるから感動するし、こういうことが出来るのはコワすぎ!がコワすぎ!だからだよなあ、と。
 最終章の工藤がかつて失敗している〇〇の説得に成功するのですが、説得失敗シーンとの違いは、工藤が言葉によるコミュニケーションを諦めたかそうでないかだよなと感じ、心の底からジーンとしてしまいました。なんか全編ギャグ風味だしキャラクターも口汚いけれど、こういう作風だからこそベタが突き刺さり、普通に泣きました。まさかコワすぎに泣かせられるとは思わなかったよ…
 超に続くための世界の〇〇〇〇の展開は好みからはズレてしまったものの、超は超で、コックリさんもベビ女もめちゃくちゃ面白かったので許せます。
 コックリさんは工藤が工藤していて面白いですが、蛇女は無職でストーカーの変態男性を一切美化せずに気持ち悪いものとして冷静に捉えつつ、失うものが何もない男だからこそ、まともに会話をしてくれた異形の蛇女のためにあそこまで出来た美しい純愛ストーリーに昇華していて、凄まじいテクニックでありました。
 最終章で江野くんが田代のためにあれだけ手を貸してくれた理由が知りたいので、オカルトもプライム来たらぜひ観たいです。