.

批評や分析ではなく個人の感想だよ

ウソゴクざっくり感想③(サタン編)

9〜13巻

9巻
・ここからサタン編開幕。
・「天子ちゃんさりげなく図工やるよな〜!」「どっ…、どうも。」かわいい返答。
・「なんなんだよ、コイツは!」「天子ちゃんだよ。オモシレーウソをつく人間…!そして、自分も一生懸命花ビンを作ったからと、鮫照クンの花ビンも大事だと思ってしまう人間…!」
・「あやまるな。ムダにしねェ…!」格好良い。
・結界花でつくったお守りのネックレスをプレゼント…つ、付き合ってます?
・「あの方は二代目閻魔大王…、…確実とまで言われていた方です。500年前とある事件を起こしてしまい…、無間地獄のその奥に封印されていました。」
・「地獄の掟と、現世の平和…。もし…さっきのがドッキリじゃなかったら…、ゴクオーくんは…、どっちを選んだのかな…、」
・番崎くんの縦笛を拾ってニヤつく校長が変態臭く、早く通報してください。
・朝礼でやりたい放題の校長、通報。
・リコーダーの中に陰毛詰まってるのかと思った。
・「八百小をナメるなよ。アンタがよけーなことしなくたって、ここの人間はこれからも自分で考えウソをつく。今を生きてるからなっ!」
・38話はゴクオーくん視点の天子ちゃんの総括で、40話はゴクオーくん視点の小学校の皆の総括っぽい。
「むしろオレサマはあんたのため…、」再読で凄く驚いたんですけど、この時点で既にサタンから、あくまで無意識にこの台詞が出てるのか。
・「現世地獄化計画!人間どもに悪の心を植えつけ悪人だらけの世の中にしてェ…、現世を第2の地獄に変えてやろうという計画だ!」「どんな人間だろうとひと皮むけばみな悪人!人間なんぞ他人を蹴おとし自分の好きなモノしか大事に思わない…、とるにたらない存在だ!!」
性善説を背負っていたユーリィの対となる性悪説を背負い、新ライバル、閻魔大王候補サタンが立脚。
・天国とのパワーバランスも加味した計画で、やはり地獄は勢力的に天国に劣るんだろうな…そしてここまで意識しているのは、サタンがもともと天国側の存在という部分は大きそう。
・朝礼逆ギレしてやりすごそうとする校長の対応が、雑なことこの上ない。
・学校の今月の目標を『ウソをつかない』にしてゴクオーくんをウソバテさせる校長が、みみっちい、みみっちいぞ。
・ヒサエさんに傘を差し出す押結くんがほほえましい。…押結くんとヒサエさんより、ゴクオーくんと天子ちゃんの方が明らかにイチャついてますが、からかわれないのか。ゴクオーくんはおちょくっちゃいけないやつポジションだったりするのか。
「人間はシンプルに悪なんだよ。どんな人間にも悪の心がある。恥や恐怖により生まれる悪…!!その悪の心をごまかすために作られたモノ。『嘘』とは、そんなものだ。」
・サタンのスタイルを天子ちゃんに向けて再度強調。天子ちゃんと出会う前のゴクオーくんも、ここの捉え方はサタンと同じだったのでは、とは思うところ。
・「人ってたしかにはずかしかったりこわかったりすると、悪いウソをついてしまうときがあります。でも、そこで自分が良くないって気付けた人たちを、わたしはたくさん見てきました。ウソは悪いことだけじゃないって気付けました。ゴクオーくんが教えてくれたんです。」
・天子ちゃん視点の『ウソ』を洗い出し。ヒサエさんに謝罪する押結くんが同軸で描かれることで天子の言葉を補強し、気合が入った熱いシーン。
・ゴクオーくん(小5男児)を床ドンする校長(成人男性)の犯罪臭が凄いぞ…。
・「おまえはかってにキレイに生きていけばいいけどな。嘘をやめない人間もいる。嘘を反省しない人間もいる。そういった人間におまえはダマされ続け、うらぎられ続けても平気でいられるのか⁉︎不満不信にのみこまれそうになっても‼︎孤独になってしまっても‼︎それでもおまえは『ウソは悪いことだけじゃない』と信じ続けて…、一生を!生きていける自信があるというのか?小野天子よ‼︎」「だっ…、だいじょうぶ…です‼︎」
・登場数話でいきなり天子ちゃんのウィークポイントを突くサタンが優れた敵キャラクターであるとともに、ここで”震えながら“ウソをつく姿は、実に人間小野天子。強がりきれたのは、ユーリィの「負けないでくれ」を背負っている部分も大きいんだと思います。
・このウソに活力をもらい復活するゴクオーくんもそうこなくては!という展開で、シナリオも演出もキレッキレだなあ…。

10巻
・「オレっちの楽しみを、奪うなよ。」地獄王、やはり他人の舌抜きエンジョイしていた。
・頭ゴチンするゴクオーくんと天子ちゃんかわいい。痛がる天子ちゃんに対して、全く表情を変えないゴクオーくんの人外みが強く出ている。
・「オレサマはなァ、優秀な力と才能を持っちまったゆえに周りから恐れられてな…、天国からも地獄からも見捨てられたんだよ…!オレさまを認めようとしない世界ならオレサマ自らの手で変えてやる。
・天国ルールが問答無用で地獄の長にも適応になるとか、やはり天国、権力持ちすぎ。地獄住人の入国も罪って!ユーリィは普通に地獄に来てたのに。天国の住人の中で優生思想とかありそう。
・天国全書(少なくとも29万ページ以上ある)の内容を抑えているサタンは、自称するだけあって超優秀。
・人間化するゴクオーくん、衝撃の展開。
・「どうだよ?味わったことがないだろ?信じられないだろ?終わるんだよ、ここで!アンタというものがな…!」サタンは言動にいちいち、初代への情念が滲む。
・「死にてえのか⁈バカ野郎!」「だって…、ゴクオーくんだって…、今は人間だよ!死んじゃうよ!」「…クソォ。気のきいたウソも浮かばねェ…!」
・初めての喧嘩のときさえなかった、ゴクオーくんと天子ちゃんの怒鳴り合いと、アイデンティティの『ウソ』が死ぬゴクオーくんの畳み掛けで、逼迫した状況の描写が容赦なく、素晴らしい。
・「残念だったなサタン…。ボクというキセキが今…、起こってしまったよ。」ユーリィ復活。これ以上に格好良いライバルの再登場あります⁉︎
・凄いな。めちゃくちゃ面白い。なにこの面白い漫画。
・サタンの猛攻を片手で軽々受け流すユーリィ。ゴクオーくんとユーリィの戦闘能力が同等なので、サタ公は2人より格下っぽい。
・ユーリィとラクレスからあらためて謝罪が入るのは、今作らしい誠実なところ。
「これが人間の『嫉妬』ってヤツか…。」狂う。
・「どうだ?ゴクオー?人は?人がだれでも持つ、孤独…、弱さ…、無力…。」「…なる…ほど…。何万年と見てきた人間…。ケケケ…。なるほど…。なるほどだ…。」
・かつて絶望に負けた人間の弱さを憐んだユーリィが、人間になってしまったゴクオーくんに改めて問いかけ。そしてその『弱さ』とは、ゴクオーくん自身が裁きを通して何万年も見てきたものであり、人になったことで強い実感をもって襲いかかってくる。
・「答えろ。アンタは…なんなんだ?…なんなんだ?」(ただの人だよな。)「決まってんじゃねーか…オレっちは、地獄の王、閻魔大王だ。」力の入った作画。
・この土壇場でウソをつききれたのは、地獄王としてのプライドが大きいのですが、人間たちのウソ、もっと言えば、小野天子の強がり…『オモシレーウソ』を見てきた影響を感じます。
・ここにきてもゴクオーくんと個人的には一切馴れ合わないユーリィは、良いキャラだなあ。ユーリィは天子ちゃんが絡まないところでは、本当にカッコイイな!
・「あせって、嫉妬して、笑って、運動して、勉強して、ウソついて…。こんなこと毎日やってんだな‼︎なかなかやるじゃんかよ‼︎アンタたちっ‼︎」
・ネコカラス人間体と一緒に歩くゴクオーくんはこの期間しか見られない。かわいい。
・万引きして罪悪感に苛まれる小学生。攻めたネタ。
・「班長として天子ちゃんに会いに行くぜ!」彼氏アピやめ。
・あだ名「寝不足」は秀逸。

11巻
・「もう…、人間としてアユミチくんには、二度と会えなくなるってことですよね?」「だったら…、さみしくなっちゃうから、もう…、会わないほうがいいのかな…。」
・『いずれ来る別離』『住む世界の違い』というゴクオーくんと天子ちゃんの間の闇に、初めての友達との別れを迎えるネコカラスの視点からメスが入る。
・「かぎりがあるんだ、大事にしようぜ。」
・「さみしいと思うのに…、えらいな…。ネコカラスちゃん…。」
・「天子ちゃん!人間でしゃべれるうちに言っておくことがあったんだ!」「なに?」「大好き。」
・このあたりの台詞完全に忘れてたんですが、最終話の天子ちゃんの言葉ってココから来てるのか。ネコカラスは天子ちゃんにとってお別れの先輩だった。
・人間化した10大地獄長が戻る際に、世話になった人間に挨拶するように伝えるシーンが入るのが、細やか。
・「ぼくっち…、なみだが止まらないんだ…。人間…だからかな…?」
・8大裏地獄長とか作っちゃうサタン、やっぱりゴクオーくんに情念を燃やしすぎている。
・「このまま現世で悪ギリ草をうばい合うか?それとも今すぐ地獄へかけつけるか?」「どちらを選ぶ初代?今度はドッキリでもなんでもない!」
・「変わっちまったな、初代…。やはり人間が大事か?」お、重いな……元カノ?
「ちょっち気まぐれで、現世に来たらよ、そこで……、オモシレーウソに出会っちまってさ。今まで無関係だと思って生きた人間たちに…、ウソの可能性を…、見つけちまったのよ。楽しみじゃねェか?今日、アイツらがどう生きて、どうウソをつくのか……、神でもわからねーんだぜ?」
・「まちませーん。」はサタンにしては珍しい口調では。かわいい。
・ガマブクロウはまだ友達だけど、それはそれとして大切なものを守るためには容赦しねえネコカラス。クール。
・「さて……、サタ公、さっきの質問に答えようじゃねーか。現世と地獄…どっちを取るかだっけ……?ワリィがオレっちはどっちも取らせてもらう……。仲間らと共にな!」支えてくれる者たちがいるから両方とも欲張れるは、ベタですが、この過程においてゴクオーくんも仲間を信じてギリギリのウソをついているため、説得力が出ました。
・人がいい任世くんがウソくさいのでムダな仕事任せて追い詰めるゴクオーくん、この回やり方が普通に性格が悪い。
・「単に舌が抜きたかったんだがな〜…。」人でなしすぎる!(人じゃないが)
・「『いい人間』って…、いったいなんなんだろうね〜?」珍しく問題提起的なシメ。
・左丹下ルシオ登場!校長は立場的な違いからゴクオーくんたちと絡ませづらい面はひしひし感じていたので、同級生にしたのは英断だったと思います。こどもたちとサタンの間につながりも出来るし。
・…あと、地獄だと気にならないのですが、校長が見た目成人男性なので、校内でゴクオーくんや天子ちゃんに絡むシーンの犯罪臭が物凄くてですね…ビジュアル的にもこどもに立ちはだかる相手はこどもがいいな、という…
・最初の頃のユーリィとルシオ2人とも、人間を下等に見ているのですが、ユーリィはうわべうまく取り繕っていたのに対し、ルシオは小馬鹿にする態度オープン。
・まあ、これは、ユーリィにとっての人間が『もとはきれいなのに段々汚れてしまう、助けなければならない弱い存在』なのに対して、サタンにとっての人間は『生まれついてのどうしようもない悪、価値無し』なのが大きいと思われます。
・ゴクオーくんのウソ暴きに雑嫌がらせしてくるルシオの、この…情念。
・「アンタもずいぶんつまらねえウソツキになっちまったよな…!アレだ、やはりこのくだらねェ人間どものせいだな。まったくいいメーワクだぜ…!」え、ジェラシー?
・怒ってルシオに手を出しかけるゴクオーくんの手を握って止める天子ちゃん、スカーを撃とうとしたウィンリィの手を握るエドじゃん。そして心底嫌そうな顔をするルシオ
・サタン、ゴクオーくん突き飛ばし「おっとォ!」→「そりゃあ〜〜〜!」窓から地図の入ったカゴぶん投げ、証拠隠滅が雑すぎて大笑い
・クソ朝礼で生徒たちからブーイング食らった時、適当に怒って切り上げようとしたあたりから感じてたんですが、サタンは滅茶苦茶大雑把。
・ベイ丸勝負で梶野が急にジャイロボールの属性の解説を始め、販促漫画みがある。
・梶野とゴクオーくんのハイタッチ。草野球や運動会でもそうだったのですが、こども同士の真剣勝負を補佐するゴクオーくんの立ち回りが結構好き。

12巻
・冤罪ふっかけられた壱兆くんを真っ先に庇う番崎くん!
・勧められた児童向けミステリー小説を最後まで読んでるゴクオーくんが律儀だ。なんとなく活字苦手なタイプっぽいですが。
・教頭を助けるルシオ、ウソ暴きするゴクオーくんの首を掴み引き寄せながら押さえつけよそ見させる力技で突破。雑。
・ガマブクロウ天子ちゃんが、本人はまずしない表情筋を使ってくれる。
・人間のルールから外れたウソをつくルシオきたない。きたないですが、性格的には率先してそういうことしそうなので、逆に、ここまでよくゴクオーくんの意志尊重してルール違反しないでくれたな…
・まあ、あくまでルールに則った上で、地獄王から人間を引き離したかったところはありそうですが。情念。
・天子ちゃんの無実を証明することは読者視点でも無理があり、着地が全く読めないなかでの学級会は、熱い展開。
・真っ先に天子ちゃんを庇うゆめちゃんの友情のあつさ。
・絶望する天子ちゃんの顔がかなりホラー。
・「はやく…、いつもにもどりたい…。楽になりたい…。」「…わ、わたしが…、やりま…、し…、」「…ガッカリだぜ、小野天子…、オマエがそんなつまらないウソをつくとはな。」「そう。にげたんだよ。オマエは。現実から。」「自分も他人もキレイでいさせたい…。だから、ウソをつくというのか?みそこなったぜ、小野天子。」
・徹底して『逆境に立ち向かえる、芯が強くて善良な人間』として描かれてきた天子ちゃんが初めて楽な道に逃げようとし、“人間的な弱さ”が、クローズアップ。
・「だって!だってだってだってだってだって!なんでこんな目にあってるのかぜんぜんわかんないんだもん!一人ぼっちでつらいのに!苦しいのに!だれにもわかってもらえなくて!どうすることもできなくて!」「わたしはなにもやってない!くやしいよ!助けてゴクオーくん!!」
・ここの天子ちゃん、舌を掴まれてるんですが、抜かれてはいないんですよね。自分の意思でみじめで汚い本音を出している。
・「この場面はだれの力も借りず、アンタの考えだけでだれかに助けを求め、道を切り開かなきゃいけなかったんだよ。そうじゃなきゃ、アイツをだまらせられない!!理不尽に立ち向かえない!!」
・天子ちゃんの涙をぬぐうゴクオーくんとネコカラス…夫?
・「天子ちゃんを助けたのは5年2組だ。『気持ち』があって『繋がり』があるんだよ。こいつらは『生きてる』からな…。常識なんざカンケーない。これが人間のおそろしさ。…そして、つよさだ。」文句なしの傑作回。
・学級会で天子ちゃんはゴクオーくんに助けを求めたのですが、ここで重要なのって『誰に』ではなく、『誰かに』対して『助けを求められたこと』なのだと思います。実際、天子ちゃんを救ったのはゴクオーくんではなく、天子ちゃん自信がつくってきたクラスメイトの人との繋がり。そしてその人たちは、ウソ暴きというより、天子ちゃんの悲痛な「助けて」に心を動かされている。
・勇気を出して「助けて」の声を出さねば、そして今まで作ってきた人とのつながりがなければ、天子ちゃんはダークサイド堕ちしていたでしょう。
・サタンは人ならざるものの力を使って天子ちゃんを陥れましたが、サタンが与えた「自分の力ではどうすることもできない『理不尽』な運命」は現実世界でもままあること。なので、この『理不尽』さ学級裁判だけじゃなくて、これから天子ちゃんが生きていく上で何度も戦い続けなければならないものなのかな、と
・で、思い出すのがユーリィ編。あれは小野天子を通し『辛い世の中を乗り越えていく人間の強さ』を肯定しましたが、実際に乗り越えていけるかはその後の小野天子の生き方にかかっていました。サタン編は『人の世の理不尽』のアイコン的な側面があるサタンという敵を通して、それに実際に立ち向かう小野天子が強くあり続けることができるのかを試される。つまり、学習(ユーリィ編)→実践(サタン編)だ!
・なので、ここで天子ちゃんがルシオに負けてしまっていたら、ユーリィも堕天しちゃうやつです。
・番崎くんの1話の謝罪が入るのが、人間を描くことに対して真摯。
・そやまの天子ちゃん(鼻水を噴射している)への気遣い。
・ユーリィと児童会の特別編!ありがとうございます。なんだかんだでこのメンバーといるのが気に入ってるんだろうな。

13巻
・「情も念も気持ちもこもってない、そんなウソに興味はないねっ…。」求めるウソのレベルが高い…
・ゴクオーくんはウソそのものが好きというより、必死に生きてる人間のウソが好きなので。ええ、ドSです。
・プールからヌッと出てくるゴクオーくんが妖怪じみてて、こういう異形の存在っぽいカットが出てくると、ドキドキする。
・ビート板の割れ目に指をズブズブ突っ込むやつは、なんかちょっとエッチだ。
・ゴクオーくんに追い詰められたショックでルシオ不登校になってしまった…
ルシオをちょこまか追いかけ回す天子ちゃんかわいい。
・「わたしたちは仲良くしたいと思っているのに‼︎どうしていつもいじわるをするんですか⁉︎どうしてっ…。」「シンプルに言うぞ、キライなのさ。人間…、そして、地獄王がな。」意図的なものですが、この天子ちゃんは、結構エゴが出ている。
・自分の力を試したくて神に挑んじゃうルシファー(サタン)、この頃から上昇志向強いヤンチャ系。
・過去ゴクオーくん、若バトラーを「バト公」呼び!ドラマの匂いを感じます。
・ゴクオーくんに千年間ちょっかいを出し続けているサタン。
・500年前地獄で裁かれるハズだった人間の魂がゴクオーくんにウソをつき現世に逃げているとの言及、ナナシノ編への布石。
・「キサマもだ、小野天子!初代はキサマに会って…、すっかりフヌけてしまった。キケンなんだよ…。だからオレサマが第2の地獄で取り締まってやろうと思ったのさ。」情念!情念!
・「あんな判子を押すだけの仕事、オレサマにもできると思ったんだよ!」の中に隠されている本音を考えようともしないままに、問答無用で無間地獄送りにする過去ゴクオーくんはかなり厳しい。今のゴクオーくんなら、自らウソ暴きをすると思います。
・「校長先生…、サタンさんが500年前に、ゴクオーくんのハンコをさわってしまったのは…、そのとき大変だったゴクオーくんの、力になりたかったっからじゃないでしょうか?」
・おのてんこのこうげき!サタンのきゅうしょにあたった!こうかはばつぐんだ!
・かつて、ゴクオーくんのブラック労働環境を心配していた天子ちゃんだからこそ、サタ公も気づかなかった本心“ゴクオーくんのため”にあっさり気づくことができる。
・一番遠い存在だと思われた、温厚な小野天子と、乱暴者サタンの2人の源流は、同じだったと明かされる。この勢いでクライマックスに突入するのがたまらんなあ。
・天子ちゃんにごにょごにょ耳打ちするゴクオーくんと、それを真顔で見ているユーリィが笑えます。
・『鬱積山』で世論物理的に反映して爆発したら選挙実施の地獄の政治システム、合理的。
・ゴクオーくんが仕事サボって小学生生活エンジョイしてたこと、民衆間でも問題になってた。
・「初代はしょっちゅう現世に行っては…、人間の子どもたちと毎日のように遊びほうけていたんだよ!」うん…
・「オレサマを捨てたすべてのモノに復讐してやる!」
・61話タイトル「気づけなかった本当の心(ウソ)」沁みる。
・指斬拳万で叩き込まれる記憶の中に、兄の無礼を神に詫びるミカエルが。
・「この一撃一撃にはおまえのためになにかしようとしてくれた者たちの魂がこめられている。サタ公…、おまえは捨てられたのではない…。かってに1人になることを選んでいたのだ!」
・ここで学級裁判回の天子ちゃんを思い出し、サタンって、声を出せば手を差し伸べてくれる人はいたのに、誰かに「助けて」が言えない人だったんだ。
・サタンの手を握る小野天子!結界石(地獄の厄災を払い除ける効果)のネックレスはここでようやく活躍。ゴクオーくんが最初に渡した意図としては、サタンの害から守るためだったと思うのですが、それが、逆にサタンに手を差し伸べるために用いられる。
・「地獄王としてはオマエを処分したいところだが、5年2組のゴクオーとしては、どうにかしてやらねェとって思ったのよ!」どちらももう、ゴクオーくんの一部。
・「わたしは…、」「トモダチになりたかったか?…ほざけよ!」「わたしはっ…!わたしは…、サタンさんのことがずっと…、きらい…でした…!」
・ここにきて、ゴクオーくんに立ちはだかってきたサタンの真のライバルは、共通の男を大切に思っていた、天子ちゃんだったのだということがわかる。
・初めて読んだ時に、この言葉が出てくるとは思わず、もう天子ちゃんには降参だなと思いました。
・「嫌い」という悪意を告白できたのも、学級裁判回の天子ちゃんが、自分の汚い部分と真正面から向き合ったからこそ。
・「天国からも地獄からも見捨てられたって言ってたのに…、結局、サタンさんを現世でも1人ぼっちにしちゃったあ!ごめんなさい、サタンさん!だからっ…、いなくならないでぇ〜っ!」「これが…小野天子の…『悪』?ちっぽけ…」
・「天使、人間、悪魔、カンケーない。だれにでも善の心、悪の心がある、だから、嘘が存在するんだ。そんだけなんだよ。」
・「小野天子はオレサマがあんたのためになりたかったからそうしたと言った。オレサマが500年かけてもわからなかったことを…、あっさりそう言ってのけたのだ。」「仮に…、仮にだ。それが本当だったとすると、その…、ゴミみてェに小さな『善』がオレサマにもあったというのか?」
・ウソのない舌で出る言葉が、自分も知らなかった本心への、戸惑い。
・善意の塊のような天子ちゃんが抑圧していた悪意の告白を受け、悪意の塊のようなサタンの中にある、本人も知らない善意があらわになる。
・「いや、気づけなかった。あのときはおまえのその小さなウソを、考えようともしなかった。」「お互い未熟だったな。500年前は…。オマエのウソに気づいてやれなくて、すまなかった。…オレっちの力になろうとしてくれて、ありがとな、サタン。」
・あだ名ではない名前を、ここで呼ぶ。セリフも絵も本当に良くて、泣いてしまいます。
・サタ公って、地獄でも天国でもその才能を持て余してきたが故に、どこにも所属できない孤独の痛みや辛さの傷を、それを傷だとわからぬまま、周りへの悪意として発散していた人なんですよね。
・嫌いな女にその無自覚な本心を代弁されて寄り添われて、好きな男の「ありがとな」を聞いた瞬間に、蓋をしていた積年の感情が溢れ出し、心の底から救われたんだと思います。
・『天子ちゃんのありがとうに救われるユーリィ』と『ゴクオーくんのありがとなに救われるサタン』、『天子ちゃんが好きなようで実は目的は別のところにあったユーリィ』と『野心に燃えているようで実はゴクオーくんが好きだったサタン』等、様々な要素がユーリィ編の反転になっており、出来過ぎなくらいよく出来てる。
・「泣いたんだぜ、…アイツ。やっといろんなモンに気づけて、うれしかったんだろうよ。アンタのおかげだ。天子ちゃん…!」
・ゴク天お姫様抱っこ!と興奮したらキャッチ後即降ろしてて、ゴクオーくんは硬派だなあ。
・ガマブクロウとサタンの出会い、「オレサマの女になれ」じゃん。
・読み直してしみじみ感じたんですが、サタ公はゴクオーくんのことが好きすぎる(自覚なし)だろ。
・うーん、名編。長編としてはサタン編が一番好きです。